景品表示法をわかりやすく解説!ノベルティ製作で注意すべきポイントとは?
2020/11/27(金)
「展示会でノベルティを配りたいけど、景品表示法に違反しないか不安・・・」
「上司から景品表示法に注意しろと言われた。景品表示法ってなに?」
こんな悩みや疑問をお持ちではありませんか?
当記事では景品表示法に関する以下のポイントを「わかりやすく簡単に」解説します!
これさえ知っておけば、景品表示法違反を避けられます!
安心してノベルティ製作ができるよう、ぜひ最後までお読みください。
景品表示法(景表法)とは?
景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者保護を目的とする法律です。
以下の役割があり、このうち「2」の内容がノベルティ製作に直接関ります。
1. 不当な広告表示を禁止する
2. 過大な景品の提供を禁止する
「過大な景品の提供を禁止する」理由は、消費者が景品につられて質の低い商品・サービスを購入するのを防止するため。
また、景品を用いた不健全な競争がエスカレートするのを防止する目的もあります。
そのための対策として、対象となる景品(ノベルティ)に上限金額が設けられているのです。
配布するノベルティが景品表示表法の「景品」に当たる場合は、決められた上限金額を守る必要があります。(どのような場合が景品に当たるかは後述)
豪華な景品で集客したいからといって、うっかり上限金額を超える高額なプレゼントや賞品を渡してしまうと法律違反になります。
※景品表示法の詳細はこちらからご確認いただけます。
景品表示法 | 消費者庁
景品表示法上の「景品」の定義
消費者庁は、以下の条件に当てはまるものを景品と定義しています。
・消費者を誘引する手段となるもの
・取引に付随して提供するもの
・物品・金銭その他の経済利益がもたらされるもの
上記の条件を満たせば、ノベルティ・粗品・オマケなど物理的な「モノ」だけでなく、ポイント・クーポン・旅行券なども景品とされます。
■景品の例
- ノベルティ、オマケ、プレミアム、特典品
- 商品券、ギフトカード、食事券
- ポイントカードのポイント
- 割引券、クーポン
- 試供品やサンプル商品
- 旅行券、宿泊券
- 入場券、チケット
なお、景品表示法における景品区分には「クローズド型懸賞」と「オープン型懸賞」の2種類があり、上限金額の規定があるのはクローズド懸賞だけです。
ここから、それぞれの違いを見ていきましょう。
景表法の対象となる「クローズド型懸賞」
クローズド懸賞は、商品購入や来店を条件に応募できる懸賞やキャンペーンです。
たとえば、「商品3,000円以上を購入した方全員にエコバッグをプレゼント!」というキャンペーンを実施する場合は、クローズド型懸賞に該当します。
商品購入を条件としたプレゼントは景品に当たるため、景品表示法の上限金額を守らなければなりません。
景表法の対象外である「オープン型懸賞」
オープン型懸賞は誰でも応募可能で、抽選や競技によってもらえる賞品やプレゼントです。
金銭的な取引が発生しないため、景品表示法上の景品にあたりません。
■オープン型懸賞の例
- LINEの友達登録:抽選で100名様にノベルティをプレゼント
- 新聞掲載のクイズ応募:正解者200名様に抽選で賞品をプレゼント
- アンケート回答:全員にノベルティをプレゼント
オープン型懸賞には景品の上限額がないため、「クイズに答えると抽選で1名様に2,000万円の高級車が当たる!」といった高額プレゼントのキャンペーンも実施可能です。
※クローズド型懸賞とオープン型懸賞の違いをまとめると、以下の表のようになります。
タイプ | クローズド型懸賞 | オープン型懸賞 |
---|---|---|
応募条件 | 商品の購入やサービスの契約 | なし(誰でも応募可) |
景表法 | 対象(景品に当たる) | 対象外(景品に当たらない) |
上限金額 | あり | なし |
クローズド型懸賞の区分と上限金額について
クローズド型懸賞には、以下のように3つの区分があります。
・総付け景品
・一般懸賞
・共同懸賞
それぞれ上限金額の規定が違うため、自社のノベルティがどれに該当するかを確認のうえ、上限金額を計算してみましょう。
総付け景品(イベント・展示会のノベルティなど)
総付け景品は、商品やサービスの購入者全員に配布する景品や特典です。
条件を満たした人全員に配るため、「べた付け」とも呼ばれます。
具体的には以下のような事例が総付け景品に区分されるので、上限金額を確認しましょう。
・展示会やイベントで来場者に配るノベルティ
・購入者(来店者)全員への景品プレゼントキャンペーン
・来店の度に加算できる百貨店のポイント
【総付け景品の上限金額】
取引価額 | 景品類の最高額 |
---|---|
1,000円未満 | 200円 |
1,000円以上 | 取引価額の20% |
仮に展示会でノベルティを配布する場合、PRする自社商品の価格が1,000円未満であれば、200円までのノベルティしか配れません。
自社商品の価格が10,000円であれば、ノベルティの上限金額は2,000円まで(取引価額の20%まで)です。
※創業式典・店舗の開店など、行事で提供されるモノ・サービス(記念品や粗品など)は総付け景品に当たらず、景品表示法の規制対象外です。
一般懸賞(1社提供の懸賞など)
一般懸賞は、自社商品の購入やサービス利用を条件に1社だけで提供する懸賞です。
具体的には、次のような事例が一般懸賞に当たります。
・コンビニで商品を買った時のクジ引き
・商品についているシールを集めて応募する特典
【一般懸賞の上限金額】
取引価額 | 景品類の最高額 | |
---|---|---|
景品の上限額(1回) | 景品の総額 | |
5,000円未満 | 取引価額の20倍 | 商品売上予定総額の2% |
5,000円以上 | 10万円 |
一般懸賞の場合は、「1回の取引あたりの景品最高額」と「取引全体あたりの景品の総額」が定められています。
たとえば1,000円の商品を1個買うと1回だけクジ引きができる場合、取引価額は1,000円(5,000円未満)なので、景品の上限は20,000円(1,000円×20)です。
仮に1,000円の商品を1万個販売する予定だと、商品売上予定総額(合計額)は1,000万円になりますよ。
この場合、景品に使える総額の上限は20万円(1,000万円×0.02)です。
共同懸賞(複数企業が提供するキャンペーンなど)
共同懸賞は、商品やサービスの購入・利用者に対し複数企業が共同で提供する懸賞のこと。
以下のような事例が共同懸賞に区分されます。
・商店街のクジ引き
・ショッピングモールの福引抽選会
【共同懸賞の上限金額】
景品類の最高額 | |
---|---|
景品の上限額(1回) | 景品の総額 |
取引価額に関わらず30万円 | 商品売上予定総額の3% |
共同懸賞も一般懸賞と同じく、「1回の取引あたりの景品最高額」と「取引全体あたりの景品の総額」が定められています。
たとえば1,000円の商品を1個買うとクジが1回引けるとして、共同懸賞の場合は取引価額に関わらず景品の上限は30万円です。
仮に1,000円の商品を2万個販売する予定だと、商品売上予定総額(合計額)は2,000万円のため、景品に使える総額の上限は60万円(2,000万円×0.03)です。
以上が景品表示法の基本的なガイドラインです。
もっと詳しく知りたい方は、景品表示法関係ガイドライン等 | 消費者庁をご覧ください。
景品表示法に違反するとどうなる?
景品表示法に違反した時の罰則は以下のように決められています。
①違反の疑いがある企業に事情聴取
②企業に弁明の機会が与えられる
└※違反が認められた場合
③措置命令
└※弁明の結果違反が認められると、一般消費者に違反を告知し、再発防止策を実施するよう命じられる
④最大2年の懲役もしくは最大300万円の罰金
└※措置命令に従わない場合
景品表示法違反が故意でなくとも必ず事情聴取が行われ、場合によっては措置命令が下されます。
景品表示法違反を消費者が知ると企業イメージや信頼の低下につながるため、避けたいものです。
ノベルティが景品表示法に違反している時の対処法は?
「展示会で配ろう!」と思っていたノベルティが、景品表示法が定めるガイドラインの上限金額を超えていることがあるかもしれません。
そんな時の対応は、次のいずれかになるでしょう。
・取引価額の見直し
・ノベルティの見直し
とはいえ、ノベルティを配るために商品価格を見直して取引価額を修正するのは現実的ではありません。
ノベルティとして使うアイテムの変更、デザインの変更などでコストを抑え、上限金額内に収まるノベルティを作る方法がおすすめです。
まとめ
景品表示法は一般消費者の利益を保護するための法律であり、過大な景品の提供を禁止しています。
アナタが配布するノベルティやプレゼントが景品表示法上の景品に当たる場合は、上限金額を守りましょう。
上限金額は以下の流れで確認できます。
1. クローズド型懸賞かオープン型懸賞かを確認する。
2. クローズド型懸賞の場合、「総付け懸賞」「一般懸賞」「共同懸賞」のどれに当たるのかを確認する。
3. 該当するものの規定を見て上限額を計算する。
「展示会でご契約いただいた方へのノベルティ配布(総付景品)」
「商品を5,000円以上購入したら抽選参加できるプレゼントキャンペーン(一般懸賞)」
などを行なう際は、上限金額を把握したうえでノベルティを製作しましょう!
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