ノベルティ製作費の勘定科目は何?経理処理の基本を解説!
2023/5/15(月)
「ノベルティ製作にかかった費用はどう計上すれば良いのだろう?」
企業や店舗で新たに販促担当になった方、自分でネットショップを立ち上げた方、そんな疑問をお持ちではありませんか?
ノベルティ製作に携わる際、費用の経理上の扱いや処理方法を把握することはとても重要です。
本記事ではノベルティ製作費の勘定科目や仕訳の考え方について解説します。
経理の知識がなくても基本がわかる内容ですので、ぜひ最後までお読みください!
ノベルティ・販促品の製作費の勘定科目は?
たとえば、アパレルショップで名入れのオリジナルポーチを200個作り、お買い上げ特典として店頭でお客様にお渡しした場合を考えてみましょう。
この費用は経理上、どのように処理すれば良いのでしょうか。
結論からいうと、ノベルティの費用は、経費の勘定科目である販売促進費に計上するのが一般的です。
ただ、一口にノベルティといってもさまざまな性質のものがありますよね。
そのため、後述するように製作の目的や配布対象によっては異なる勘定科目に計上する場合も出てきます。
そもそも勘定科目とは?
簿記経験などがないと、まず勘定科目という言葉の意味がよくわかりませんよね。
勘定科目とは、会計処理において各種の財務取引を分類し、記録するための基本単位となる科目のことです。
勘定科目には、以下の4グループがあります。
- 収入
- 経費
- 資産
- 負債
経費の中には、人件費、材料費、賃借料、販売促進費、広告宣伝費、外注費などの勘定科目があります。
いわゆる、コストと呼ばれるものです。
勘定科目の種類や分け方は、法律で定められているわけではありません。
上記のような一般的なものに加え、企業の判断で自由に設定することもできます。
業界や業態によっても勘定科目の種類や考え方は若干異なります。
販売促進費とは?販売促進費に計上する理由は
勘定科目の中の販売促進費は、その名のとおり、商品やサービスの販売促進に直接関わる費用です。
つまり、顧客の購買意欲を高めるために直接的なインセンティブを提供し、売上増加を図るための経費を指します。
ノベルティをはじめ、試供品やサンプル、ポイント還元、キャッシュバック、店頭ポスターなどが含まれます。
販売促進費以外の勘定科目を使うケースについて
実は全てのノベルティ製作費が販売促進費に計上されるとは限りません。
ノベルティの目的と配布先によっては、広報宣伝費や接待交際費の勘定科目で処理する場合もあります。
広報宣伝費とは?販売促進費とどう違うの?
勘定科目を決めるうえでよく出てくるのが、「販売促進費か?広報宣伝費か?」という疑問です。
販売促進費と広報宣伝費はどう違うのでしょうか?
いずれも企業のマーケティング活動に関わる費用ですが、その目的や方法が異なります。
■販売促進費
具体的な商品やサービスを売り出すためのプロモーション費用
※ノベルティ製作費、景品の配布費用、キャンペーン費用など
■広報宣伝費
企業や商品、サービスの知名度向上やイメージ改善、認知度の拡大を目的とした費用
※テレビCM、新聞広告、インターネット広告、プレスリリースなど
先に述べたように、ノベルティ製作費は一般的に販売促進費とされますが、広報宣伝費として計上するケースもあります。
ノベルティ製作の目的が販売促進と広報宣伝の両方を含む場合もあり、その区別が難しいためです。
ブランディングや知名度アップのために配布するノベルティの製作費は、広報宣伝費ともとらえることもできるでしょう。
たとえば、新店舗の開店キャンペーンの一環で、街頭で名入れのうちわをたくさん配る時などです。
販売促進費も広報宣伝費も貸借対照表においては同じ「販売費及び一般管理費」に含まれるので、どちらで計上しても大きな問題はないとされています。
勘定科目の考え方は企業によっても異なるため、わからない場合は社内のルールを確認してみてください。
ノベルティを接待交際費として計上するケース
実は、ノベルティ製作費を接待交際費として計上するケースもあります。
接待交際費とは、事業に関係ある取引先や仕入先などに対し、接待をしたり謝礼を渡したりする際にかかった費用です。
特定の取引先や仕入先にノベルティを粗品や贈答品として渡した場合は、接待交際費として計上する場合があります。
たとえば、得意先や仕入先への年始の挨拶回りで名入れのタオルをお年賀として渡した場合は、一般的には接待交際費と考えられます。
ノベルティ・販促品製作費の経理処理と仕訳方法
ここからは、ノベルティ製作費の具体的な経理処理について解説します。
販売管理費・広報宣伝費・接待交際費などの勘定科目別に、それぞれ以下のような処理を行います。
販売促進費とする時の仕訳方法
ノベルティの製作費を販売促進費とする場合は、次のように仕訳します。
- ノベルティの原価を販売促進費の勘定科目に計上
- ノベルティを配布する際の送料や印刷費用などの費用を販売促進費の勘定科目に計上
■仕訳例
開店記念ノベルティ20万円分を製作し、現金で支払った場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
販売促進費 | 200,000 | 現金 | 200,000 |
販売促進費(費用)を借方に、現金(資産)を貸方に記載します。
広報宣伝費とする時の仕訳方法
ノベルティの製作費を広報宣伝費とする場合は、次のように仕訳します。
- ノベルティの原価を広報宣伝費の勘定科目に計上
- ノベルティを配布する際の送料や印刷費用などの費用を、広報宣伝費の勘定科目に計上
■仕訳例
宣伝用の名入れポケットティッシュ5万円分を製作し、普通預金から支払った場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
広告宣伝費 | 50,000 | 普通預金 | 50,000 |
広告宣伝費(費用)を借方に、普通預金(資産)は貸方に記載します。
接待交際費とする時の仕訳方法
ノベルティの製作費を接待交際費とする場合は、次のように仕訳します。
- ノベルティの原価を接待交際費の勘定科目に計上
- ノベルティを配布する際の送料や印刷費用などの費用を接待交際費の勘定科目に計上
■仕訳例
取引先に配る年賀ノベルティ10万円分を製作し、現金で支払った場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
接待交際費 | 100,000 | 現金 | 100,000 |
接待交際費(費用)を借方に、現金(資産)を貸方に記載します。
ノベルティ・販促品が余った時は?決算時の処理方法
製作したノベルティが決算時点で残っている場合は、貯蔵品として資産に計上します。
たとえば、ノベルティ10万円分を製作し5万円分が使われずに残った場合、この5万円分は経費に計上できません。
そのため、5万万円分の販売促進費を借方に移動して、資産である「貯蔵品」の勘定科目に振り替える処理を行います。
■仕訳例
決算時に5万円分のノベルティが余った場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
貯蔵品 | 50,000 | 販売促進費 | 50,000 |
まとめ
ノベルティ・販促品の製作費は、一般的には販売促進費として計上します。
製作目的が広報宣伝活動を含む場合は、広報宣伝費としても問題ありません。
特定の取引先などにノベルティを贈る時などは、接待交際費とすべきケースもあります。
また、ノベルティが余った場合には、貯蔵品として資産に計上するのが一般的です。
以上のように仕訳の際には目的や用途に合わせて勘定科目を選択しましょう。
ただし、ノベルティ製作費の経理処理の方法は企業や店舗の考え方や運用ルールによって異なる部分も出てきます。
大切なのは自社事業の内容や特徴に応じて適切に処理することであり、この記事が少しでもその参考となれば幸いです。
各種ノベルティ製作に関して「プロに相談したい」というご要望、費用や納期に関するご質問などがございましたら、ぜひお気軽にノベルティストアにご連絡ください。
専門スタッフが企画から納品まで丁寧にサポートいたします!
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